活動

2009.7.11-12 ひろしま鞆の浦見学会

魅力ある都市景観を目指して、広島市では「ひろしま2045:平和と創造のまち」を1995年から開始し、公共事業の優れたデザイン整備を積極的に推進しています。一方、福山市鞆の浦はNPOによる町家再生事業や港湾の埋立架橋反対運動など、まちの活性化や景観保全に向けた市民レベルの活動が盛んな地区でもあります。両地域の見学を通し、デザインを志す若者として、また同時に一市民として、デザインやまちづくりの現状や課題を学びました。

講師:西村浩氏(株式会社ワークヴィジョンズ)
松居秀子氏(NPO法人鞆まちづくり工房)

参加者:関東6名、九州1名、計7名

活動報告書(635KB,PDF形式)

1日目 2009.7.11(土)

福山駅集合。 点呼をとったら、さっそく鞆の浦へ向かいます。

鞆の浦での移動は徒歩なので、今回の行程はすべて公共の交通機関を利用します。
懐かしい板張りのバスで揺られること30分。
窓からだんだん海が見えてきた!

鞆の浦に到着。
潮の匂いと漁船がお出迎え。
松居さんと、宿としてお世話になる町家に挨拶に伺ってからお昼ご飯へ。

この料理屋さんも町家再生事業のひとつ。
食器や家具も昔からのものを大切に使っているそうです。
とても豪華。おいしそう。

常夜燈近くでは架橋事業 反対 の署名活動が行われていました。

こちらは道路港湾整備 推進 の看板。
同じ地区に住む住民同士でも賛成派と反対派が入り乱れているようです。
この後、松居さんに鞆まちづくり工房の活動についてお話を伺いました。
埋め立て免許差し止めの判決は10月に出るそうです。
(事業差し止めの判決が出ました!10月1日)

大波止にて。
瀬戸内海と鞆港を一望できる場所。瀬戸の海は波がほとんどない。

夜は鞆の浦の一大イベント、お手火祭りへ。
重量150kgにもなる火柱を男衆が境内までかつぎこむ様子は大迫力。
階段を上るのが難しいようで、1本運ぶのに何時間もかかります。

見学者にも伝わる熱気。
町がひとつになる伝統文化は住民みんなの誇り。
この日のためにわざわざ帰ってくる若者も多いのだそう。
宿に戻り、松居さんや協力者の方と一緒に鞆の魅力を語りながら美味しい夜食まで頂きました。ご馳走様です。

2日目 2009.7.12(日)

2日目は広島市内見学へ。
最初に向かったのは広島市西消防署。消防カラーの真っ赤な外壁とガラスが印象的。

平和記念公園に到着。
西村さんと合流し、平和大橋のコンペ資料を片手に、公園周辺を見学しました。

広島市は河川の景観整備が早くから行われていた場所でもあります。

原爆ドームから慰霊碑、ピースセンターへと続くビスタ。
奥に見える白いラインは病院の外壁。景観に配慮したあまり逆に目立っているような・・・。

イサム・ノグチによる平和大橋。
だいぶ老朽化が進んでいるようです。

さらに、昔の写真と比べると脚部分がかなり短くなっていることが判明。
これには西村さんも大笑い。結局、誰も明確な理由はわからず謎のまま。

工事前の橋を目の前に説明を受ける参加者。
桁橋を提案した理由や色の戦略的な使い方等、沢山のお話をしていただきました。分野を問わず勉強になることばかり。

環境局中工場
まるで美術品のようにガラスで囲われた焼却施設。

接合面がない。たったそれだけの事と思いきや、相当のこだわりが詰まっている。

同じ海でも、鞆の浦とは全く表情の異なる海。

世界平和記念聖堂
モダニズムとゴシックが入り混じり、松や梅など随所に日本をイメージさせるデザインも。
裏手にある地下礼拝堂にも係の方のご好意で入ることが出来ました。開放的な地上の礼拝堂とは一転して、抑制された密な空気。自然と背筋が伸びます。

広島駅付近で懇親会をした後、解散。
参加者のみなさん、2日間お疲れ様でした!
そして、お忙しい中、快く講師を引き受けてくださった西村さん、松居さん、本当にありがとうございました。